厚底カーボンシューズは上り下りでも4%の代謝コスト削減効果があるのか?

学んだこと

以下のような方向けの記事です。

  • ランニングシューズのレビューが好き
  • 厚底カーボンのレースシューズを履いている
  • 上り下りにおける代謝コストは平坦と比較してどうなの?

現在、レースシーンで大活躍のナイキのヴェイパーフライシリーズ。

僕も大好きです😊

でも今はこちら↓に挑戦しています。現在240kmくらい使用中。

以前に購入したのですが、なかなか乗りこなすことができず敬遠していました💧

練習で初めて履いた時には足底がキツくてペースダウン。

レースで履いた時は後半から股関節のつまり感が出て足が上がらなくなりました😅

αフライの一番いいところに乗れない走りのため無駄な力を使っているのが原因だと考えています。

腹を据えてαフライを履き潰すくらい使い倒して乗りこなせるようになろうと決意しています。

今回はこのような厚底カーボンプレートシューズの代謝コスト削減効果についてのお話し。

元祖ベイパーフライ4%という名前は今までのレースシューズより代謝コストを4%抑えることから名付けられたランニングシューズです。

厚底カーボンプレートシューズは上り下りにおいても同じような代謝コストダウン効果があるのか?ということを記事にしました。

自分の感覚

まずは自分の感覚。

初めて履いた時はすごい推進を感じました。

いいところに乗った時の一歩はぐいーーーんと伸びる😊

いつもの感覚で走ってもこれまでのレースシューズに比べてキロ−5秒くらいはいい感じ。

でも上りに関しては平坦よりはぐいーーんと行く感じは少なく、ピッチが要求されるような斜度になるとカーボンの恩恵は少ないのかなという感覚です。

一方下りに関しては平坦よりも一歩に乗れる時間も多くなるためカーボンの恩恵は大きくなるという感覚です。

以上から僕の感覚だと、上りでは平坦より代謝コスト削減効果は少なく、下りでは平坦よりも代謝削減効果コストは大きくなる。上りだとVF2%、下りだとVF6%みたいな・・・😅

実際はどうなの?ということが気になったため検索してみました。

結果は平坦と比較して上りでは1%減、下りでは統計的な差が出ず

今回見つけた論文ですが、”Metabolic cost of level, uphill, and downhill running in highly cushioned shoes with carbon-fiber plates”というタイトル。

2021年にClarissa S. whitingらによってJ Sport Health Sciというジャーナルに掲載。

Metabolic cost of level, uphill, and downhill running in highly cushioned shoes with carbon-fiber plates

Journal of Sport and Health Science

2021 Nov 3;S2095-2546(21)00111-3. doi: 10.1016/j.jshs.2021.10.004.

Clarissa S Whiting, Wouter Hoogkamer, Rodger Kram

Methodsは以下の通り。

  • 競技力のある男性ランナー16名
  • ストリーク6とベイパーフライ4%を履いてトレッドミル上で平坦、傾斜±3%で走行
  • 時速13km/hの速度で5分間走って代謝コストを計算

結果はストリーク6と比較してベイパーフライ4%では平坦では3.83%の代謝コスト削減効果。謳い文句通りのほぼ4%でした。一方で上りは2.82%、下りは2.70%で有意差を持ってストリーク6より代謝コスト削減効果あり

しかし、傾斜間で比較すると、平坦と上りは統計学的に有意差あるものの、平坦と下りはランナー間でのばらつきが大きく統計学的な差はなし

確かに個々のランナーの結果を見ると下りでは平坦より代謝コストが上がっている人もいれば下がっている人もいてその幅はかなりばらつきがあります。

以上今回の論文では、VF4%は上りだとVF3%(1%ほど代謝コスト削減効果は減る)、下りだと人によるという結論でした😅

Discussionでは、厚底カーボンシューズは今までのレースシューズと比較した場合、代謝コスト削減効果はあることを踏まえた上で、レースのコースレイアウトによってはその恩恵に差がある可能性があると述べています。

例として、とてもフラットなシカゴマラソンのようなコースレイアウトでは、代謝コスト削減効果は高いが、下り貴重の中に上りがいくつもあるボストンマラソンのようなコースレイアウトでは代謝コスト削減効果は少なく厚底カーボンシューズの恩恵は少なくなる可能性がありますよと。

また、同じ厚底カーボンシューズであるサッカニーのエンドルフィンプロでの実証も加えて比較考察しています。

Limitationは以下の点が述べられていました。

  • 測定で平坦・上り・下りの3条件、2つのシューズを比較しており疲労の要素がある可能性
  • 下りで統計的な差が出ず対象者の人数が少ない可能性(power analysisでは81名必要)
  • 対象者が男性だけ
  • 対象者の下りトレッドミル走行の経験がほとんどない
  • 速度が13km/hしか評価しておらず、より遅い・速い速度で代謝コストが変化する可能性あり

僕の個人的な考察なんですが、下りの13km/h速度が微妙だったかもしれないなと感じました。下りだと13km/hというスピードに余裕が出てしまって身体の動きに無駄が出てしまいスピードをブレーキさせようとする動作が加わるランナーが出てしまった。

このため13km/hの制約の中で3%下り傾斜では厚底カーボンプレートの恩恵をうまく活かせるランナーとそうでないランナーが出てしまいばらつきが出たのかなと・・・

Limitationの速度13km/hしか評価していないというところに含まれます。

最後に

今回は厚底カーボンシューズの代謝コスト削減効果がアップダウンで影響が出るか?ということを調べてみました。

今回の報告では「平坦と比較して上りでは1%減、下りでは統計的な差が出ず」でした。

ただ今までのレースシューズとの比較では上り下りともに代謝コストは抑えられることは間違いなさそうです。

レースのコースレイアウトによって恩恵は変わる可能性があり、シューズの選択の参考にはなりそうな記事だと思いました😊

僕なら、ど平坦レースなら厚底カーボンプレートの反発強めのαフライ、起伏のあるレースならそこまで恩恵が大きくない、重さも気になるのでベイパーフライN%みたいに使い分けになりますでしょうか😅

皆様のシューズ選択の一考察になれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました